標準偏差の求め方|公式・計算例・分散との違いを解説

平均からのばらつきと標準偏差の関係を表した統計の図
標準偏差は、データが平均の周りにどれくらい広がっているかを表す指標です。

標準偏差の求め方は、①平均を求める、②各データとの差を出す、③差を二乗して分散を計算する、④分散の平方根を取る、という順番です。この記事では、2・4・6・8の具体例を使い、母標準偏差と標本標準偏差、Excel関数、分散との違いまで整理します。

1. 標準偏差の求め方を4ステップで確認

標準偏差は、いきなり平方根を計算するのではなく、まずデータの中心である平均を求めます。平均からの距離を二乗して分散にまとめ、最後に平方根を取ると、元データと同じ単位のばらつきが得られます。

手順することポイント
1平均を求めるデータの合計を個数で割る
2偏差を求める各データ − 平均
3偏差を二乗して分散を求める母集団なら n、標本なら n - 1 で割る
4分散の平方根を取るこれが標準偏差

標準偏差 = √分散

2. 標準偏差とは何か

標準偏差は、データが平均の周りにどの程度ばらついているかを表す統計指標です。標準偏差が小さいと値が平均の近くに集まり、大きいと平均から離れた値が多いと読み取れます。

たとえば平均点が同じ70点のクラスでも、全員が68〜72点に集まるクラスと、40〜100点まで広がるクラスでは様子が違います。この違いを数値で比較しやすくするのが標準偏差です。

分散は偏差を二乗した値なので、元データが「点」なら単位は「点の二乗」になります。分散の平方根を取る標準偏差なら、元データと同じ「点」の単位で解釈できます。

3. 母標準偏差・標本標準偏差の公式

標準偏差には、データ全体をそのまま評価する場合と、一部の標本から全体を推定する場合があります。違いは分散を計算するときの分母です。

種類公式分散の分母使う場面
母標準偏差√(Σ(x − μ)² ÷ n)n調べたい全体のデータがそろっている
標本標準偏差√(Σ(x − x̄)² ÷ (n − 1))n − 1一部の標本から母集団を推定する

μ は母平均、 は標本平均です。学校の練習問題で「与えられたデータの標準偏差」を求める場合は、問題文の定義に従います。統計調査で標本から全体のばらつきを推定する場合は、通常は標本標準偏差を選びます。

4. 具体例:2・4・6・8の標準偏差を求める

データを 2, 4, 6, 8 とします。平均は (2 + 4 + 6 + 8) ÷ 4 = 5 です。次に各データから平均5を引き、偏差を二乗します。

データ x偏差 x − 5偏差の二乗
2-39
4-11
611
839
偏差平方和20

母標準偏差

√(20 ÷ 4) = √5

約2.236

標本標準偏差

√(20 ÷ 3) = √(20/3)

約2.582

偏差平方和の20までは共通ですが、母集団として扱うか標本として扱うかで分散と標準偏差が変わります。答えだけでなく、分母を nn - 1 のどちらにしたかも記録すると、計算結果を説明しやすくなります。

平均から各データへの距離を使って標準偏差を計算する手順図
平均からの距離をそろえて二乗し、分散の平方根を取ると標準偏差になります。

5. 母集団と標本の使い分け

母集団とは、調べたい対象全体のことです。あるクラス全員のテスト点数を、そのクラスの中だけで説明するなら、手元のデータ全体を母集団として母標準偏差を使えます。

標本は、全体の一部を取り出したデータです。全国の製品、顧客、受験者などをすべて調べる代わりに一部を抽出し、全体のばらつきを推定する場合は標本標準偏差を使います。

判断の質問選ぶもの分母
調べたい対象の全データがそろっている?母標準偏差n
全体の一部を使って、全体を推定している?標本標準偏差n - 1
問題文に計算方法の指定がある?指定された定義を優先式を明記

「標本なら必ず標本標準偏差」という機械的な暗記だけでなく、データが全体か一部かを確認するのがポイントです。統計の前提が分からないときは、結果と一緒に「母集団として計算」「標本として計算」と書いておくと誤解を防げます。

6. 分散との違いと標準偏差の読み方

標準偏差は分散の平方根です。反対に、標準偏差を二乗すると分散になります。計算の途中では分散を使い、結果を元データと同じ単位で説明するときは標準偏差を使う、と考えると整理しやすいでしょう。

指標意味単位読み取り
分散偏差の二乗の平均元データの単位の二乗統計計算の中間値として扱いやすい
標準偏差分散の平方根元データと同じ平均からの典型的な距離を説明しやすい

たとえば標準偏差が10点なら、データのばらつきの大きさを「おおよそ10点程度の広がり」と元の尺度で説明できます。ただし、標準偏差だけで個々の値を断定したり、異なる集団の成績を単純比較したりしないよう注意してください。詳しい分散の式は分散の求め方で確認できます。

7. Excel・計算機で標準偏差を確認する

Excelでは、データ全体を対象にするか、標本から推定するかで関数を選びます。先ほどの 2, 4, 6, 8 をA2:A5に入力した場合、次の式で確認できます。

目的入力する式結果
母標準偏差=STDEV.P(A2:A5)約2.236
標本標準偏差=STDEV.S(A2:A5)約2.582

手計算の途中式まで照合したいときは標準偏差計算機に数値を貼り付けてください。母集団標準偏差、標本標準偏差、分散、平均、偏差平方和をまとめて確認できます。Excel関数全般を調べたい場合はExcel計算ページも利用できます。

入力時の注意:空白や文字列が混じると、Excelと手計算で対象データがずれる場合があります。数値だけをそろえ、母集団か標本かを決めてから計算してください。

8. よくある間違い

間違えやすい例

  • 平均を求めずに値を二乗する
  • 偏差の正負をそのまま足してしまう
  • 母集団なのに n - 1 で割る
  • 分散を標準偏差だと思う

確認のコツ

  • 平均・偏差・偏差平方和を表にする
  • 最後に平方根を取ったか確認する
  • 分母の n / n - 1 を明記する
  • 計算機やExcelで答えを照合する

9. 標準偏差の求め方に関するFAQ

平均を求め、各データとの差を二乗して分散を計算し、その平方根を取ります。全体のデータなら母標準偏差、標本から推定するなら標本標準偏差です。

分散は偏差の二乗平均、標準偏差は分散の平方根です。標準偏差は元データと同じ単位なので、ばらつきを説明するときに読み取りやすくなります。

調べたい対象の全データがそろっていれば母標準偏差、一部のデータから全体を推定するなら標本標準偏差を使います。分散の分母はそれぞれnとn-1です。

母集団の標準偏差にはSTDEV.P、標本の標準偏差にはSTDEV.Sを使います。関数より先に、データの対象範囲を決めることが大切です。

まとめ

標準偏差の求め方は、平均、偏差、偏差の二乗、分散、平方根という流れで考えると整理できます。2・4・6・8の例では、母標準偏差は √5 ≒ 2.236、標本標準偏差は √(20/3) ≒ 2.582 でした。

分母を nn - 1 のどちらにするかは、母集団か標本かで決まります。結果をすぐに確かめたいときは標準偏差計算機、標準偏差を使って偏差値を求めたいときは偏差値計算機を利用してください。