行列 掛け算のやり方|行列の掛け算を例題でわかりやすく解説

行列の行と列を対応させて掛け算する流れを表した数学の図
行列の積は、左の行と右の列を組み合わせて各成分を求めます。

行列 掛け算は、左の行列の「行」と右の行列の「列」を組み合わせ、対応する数を掛けて足します。計算できる条件は左の列数と右の行数が同じことです。この記事では、行列の掛け算の手順、2×2と2×3×3×2の例題、順番で迷いやすいポイントをまとめます。

1. 行列 掛け算の要点:行×列

行列の掛け算では、左側の行列Aから1行を取り出し、右側の行列Bから1列を取り出します。その行と列の同じ位置にある成分を順番に掛け、最後にすべて足した値が、答えの行列Cの1つの成分になります。

行列C = 行列A × 行列B

cij = ai1b1j + ai2b2j + …

見る場所対応するものする計算
答えの左上Aの1行目 × Bの1列目成分を掛けて足す
答えの右上Aの1行目 × Bの2列目成分を掛けて足す
答えの左下Aの2行目 × Bの1列目成分を掛けて足す
答えの右下Aの2行目 × Bの2列目成分を掛けて足す

同じ位置の成分同士だけを掛ける計算ではありません。「左の行、右の列」と覚えると、行列同士の掛け算を途中で取り違えにくくなります。

2. 計算できる条件と結果のサイズ

行列Aが m×n、行列Bが n×p のとき、積 AB を計算できます。ポイントは、Aの列数 n とBの行数 n が一致することです。結果は m×p 行列になります。

行列A行列B計算結果のサイズ
2×22×2できる2×2
2×33×2できる2×2
3×22×4できる3×4
2×23×2できないAの列数2とBの行数3が不一致
2×3行列と3×2行列の行と列を対応させて2×2の結果を作る手順図
2×3行列と3×2行列では、内側の数字3が一致するため、結果は外側の2×2になります。

3. 2×2行列の掛け算を計算する

まずは最も基本的な2×2行列で確認します。次の2つを掛けるとします。

A = [[1, 2], [3, 4]]B = [[5, 6], [7, 8]]

答えの各成分を、Aの行とBの列で計算します。

答えの成分対応する行と列計算結果
c11Aの1行目 × Bの1列目1×5 + 2×719
c12Aの1行目 × Bの2列目1×6 + 2×822
c21Aの2行目 × Bの1列目3×5 + 4×743
c22Aの2行目 × Bの2列目3×6 + 4×850

AB = [[19, 22], [43, 50]]

例えば左上の19は、Aの1行目 [1, 2] とBの1列目 [5, 7]から、1×5 + 2×7 と作ります。4つの成分を同じルールで埋めれば完成です。

4. 2×3×3×2の例題:形が違う行列を掛ける

行列 掛け算は、同じ2×2同士でなくても計算できます。ここでは2×3行列と3×2行列を使います。

A = [[1, 2, 3], [4, 5, 6]]

B = [[7, 8], [9, 10], [11, 12]]

Aは2×3、Bは3×2なので、Aの列数3とBの行数3が一致します。したがって、結果は外側の数字を使った2×2です。

成分行×列計算結果
c11[1,2,3] × [7,9,11]1×7 + 2×9 + 3×1158
c12[1,2,3] × [8,10,12]1×8 + 2×10 + 3×1264
c21[4,5,6] × [7,9,11]4×7 + 5×9 + 6×11139
c22[4,5,6] × [8,10,12]4×8 + 5×10 + 6×12154

AB = [[58, 64], [139, 154]]

5. 行列同士の掛け算の順番とよくあるミス

行列の積は、普通の数の掛け算と同じ感覚で扱うと間違えやすい計算です。特に次の4点を確認してください。

ミス確認すること
同じ位置の成分だけを掛ける左の行と右の列を対応させ、掛けた後に足す
行と列の数を確認しない左の列数と右の行数が一致するか先に見る
結果のサイズを間違えるm×nn×p の積は m×p
ABBA を同じだと思う行列は一般に交換できない。順番を変えたら別計算

ABが計算できるからといって、BAも必ず計算できるとは限りません。両方の積が定義できても、結果が同じとは限らないため、問題文に書かれた順番をそのまま使います。

6. 行列計算ツールで答え合わせする

手計算の途中式を書いたあと、当サイトの行列計算ツールに同じAとBを入力すると、行列の加算・減算・乗算の結果を確認できます。行列式、逆行列、転置行列も同じ画面で検算できます。

おすすめの順番: ①行列のサイズを確認する、②行×列で途中式を書く、③計算ツールで結果を照合する、の順に進めると、入力ミスと計算ミスを切り分けやすくなります。

3×3行列式の計算方法を学んでいる場合は、サラスの公式の解説も参考になります。行列の掛け算と行列式は別の計算なので、どの値を求める問題なのかを先に確認しましょう。

7. 行列の掛け算に関するFAQ

左の行列の列数と、右の行列の行数が同じときに計算できます。m×n行列とn×p行列なら、結果はm×p行列です。

通常の行列積では、左の行と右の列の対応する成分を掛けて足します。同じ位置の成分だけを掛ける計算ではありません。

一般には同じではありません。ABBAは別の積で、片方だけが計算できる場合もあります。

行列計算ツールに行列を入力して答え合わせできます。ただし、先にサイズと行×列の途中式を確認しておくと、間違いの原因も見つけやすくなります。

まとめ

行列 掛け算の基本は、左の行と右の列を組み合わせ、対応する成分を掛けて足すことです。計算前に「左の列数=右の行数」を確認し、結果のサイズは外側の数字から判断します。

2×2行列から始めて、2×3×3×2のようにサイズが異なる例へ進むと、行列の掛け算の規則を理解しやすくなります。途中式を残してから行列計算ツールで答え合わせしてみてください。

参考:行列の積の定義